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妄想オムライス
床下は骨伝導 ワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ !!!!!



アレクサンダー・ガヴリリュク

 ガヴリリュクのプロコ戦争ソナタ7番と聞けば即効買い、チケット購入ボタンを押すと同時に確かな技術に裏打ちされたロシアン・ピアニズムの醍醐味は約束されたも同然で、チーム吉右衛門の芝居を観るのと同様の安心感に擁護された状態で末席に連なり耳かっぽじって拝聴しコンサートグランドの振動を体感するのみであります。お願い今日はわたくしにこれ以上何も聞かないで。ピアノが爆発炎上して会場がぶっ壊れてもいいや、寧ろ望むところだ殉死してやる、とこのご時勢にあっては不謹慎極まりない幸福なヤケクソの絶頂に到達し、この時の瞬間最大値を脳内メーカーで測ったら多分真っ黒な破滅願望に塗りつぶされていた事だろうと思う。

 プログラム
ベートーヴェン ピアノソナタ第14番op.27-2「月光」
ショパン 幻想即興曲op.66
      2つのノクターンop.48
      スケルツォ第1番op.20
  休憩15分
ラフマニノフ 楽興の時op.16
プロコフィエフ ピアノソナタ第7番op.83「戦争ソナタ」

 前半は軽く小手調べにしても月光の第3楽章でいきなりヒートアップできちゃうKARS搭載、幻想即興曲の右手から繰り出すイクラのつぶつぶの粒立ちのよさ、中声部にこんな旋律が潜んでいたとは戦慄、ノクターンの哀と愁、ニンフの軍団が巻き起こす嵐のようなスケルツォ・・意味不明?だから何も聞かないで。

 ガブリリュクは大人になっていた。まだ27歳という若さで完成されたヴィルトゥオジティ。頭頂部だってあんなに薄っすらはげちゃって男らしい。ヴィルトゥオジティは今に始まったことではなかった。十数年前になると思うが、どこかの音大でドレンスキー教授の公開講座の折、まだ無名だった幼いガヴ君は教授と来日しておりアシスタントを務めていた。まだ少年であった。ホールの舞台で教授のレクチャーが始まり、「であるからして実演すると、あれ?うちのサーシャはどこ行った?サーシャ、サーシャ」と舞台袖に向かって呼ぶドレンスキー教授、やや待ってガヴ君舞台に走り込んで来た。どうやらトイレに行っていたようである。カワイイのら〜。とこれ全て通訳の人が逐一訳してくれて理解できた顛末なのだが。この頃ガヴ君は師匠の家に下宿してピアノ漬け生活を送っており、電子メトロノームを持った先生の横でひたすら練習曲を弾き続け、ちょっとでも遅れたり乱れるとドシャベられ、気絶するとバケツの水ぶっかけられ、な過酷な修行をしていたという、ウソのような、ホントだったらドラマチックな話をどこかで聞いたが、さもありなんと思わせる確かな技術はこの頃から既に装備しており、お手本の演奏が始まると、その幼い容貌からは想像だにしなかったテクニシャンぶりにぶったまげたものであった。浜松音コンで優勝したのはこの直後だったと思う。

 さてガヴ君、前半の攻撃を咀嚼し消化する間も与えずトイレに並ぶのが精一杯な客をオラオラと急かすようにたったの15分の休憩で涼しい顔してピアノに戻り、

 後半ラフマニノフ&プロコと巨大な難曲二連発するかね普通。楽興の時では希望と諦念と慰めと自問自答し人生の紆余曲折を彷徨った挙句に最後の6曲目ではっきりと1曲目のテーマが戻ってきたときの歓喜たるや!あーた!プロコ出ました!戦場の兵士が見えます!仲間の屍を乗り越え前進、ヘンナオジサン、ヘンナオジサン、ヘッ、ヘ、ヘンナヘナオジーーンドコズンドコ・・故国の恋人や母を懐かしみ、でも行けと言われたら行くしかないのだ、行け、行け、前へ、突撃、死ぬのだ!爆発だ!真っ黒ドッカーン!

 もう何も聞かないで。

 プロコを弾き終えたか終えないかの最後の音とほぼ同時に待ちきれない1階席の若者が「ヒュー!!」と叫んだ。「イエーーィ!」ここはロックコンサート会場か。負けじとオヤジたちの「ブラッ」「ブラーヴァ」のシブイ声が拍手の音に紛れるようにして続く。ブラボーの言い方も様々個性に富んで、大向うみたいに凝ってますな。ほんで
 
  アンコール
スクリャービン エチュード第9番
フィリペンコ トッカータ
ショパン エチュードOp.10-6
リスト/ホロヴィッツ ラコッツィ行進曲
ラフマニノフ/コチシュ ヴォカリーズ

 ってこんなに濃いのばっかやるかぁ?ラフマニノフとプロコフィエフで全開だったアクセルをアンコールで振り切っちゃうもんね。キーシンも嬉々としてアンコール8曲とか軽く弾くけど、ロシア人若者どんなスタミナしてんだ。曲順見事なツンデレだし。スクリャービンでクールダウンしたかと思ったら次まだありまっせ、おお〜ガヴ君こんな奥の手持ってたんだ〜と驚いたフィリペンコのトッカータは初めて聴いたがラテン丸出しでトッカータ丸出しのテクニカル難曲丸出しな楽しい作品、ショパン10-6で再び死んでもいいと思わせられ本気のあまり世を儚んで涙し、ラコッツィ行進曲ではイタコになりホロヴィッツの霊が憑依し、ヴォカリーズで優しくナデナデされ「そろそろおうち帰りましょうねボクは一晩中弾いていて構わないんだけど電車なくなっちゃうからね」 は〜〜〜い。

 ガヴ君は拍手に応えステージに戻り、胸に手を当て何度もお辞儀をし、ピアノから白い汗拭きハンカチをふんだくるようにしてパッと取り、去って行ったのであた。これで将来エロオヤジに成長したら最強だな。

  6月11日 於オペラシティ  地中海の庭


 ガヴ君の新譜
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番、スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番、ラフマニノフ:楽興の時、ヴォカリーズ、他 ガヴリリュク HMVで予約する 今ならポイント10倍よん
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番
ラフマニノフ:楽興の時
スクリャービン:練習曲
ラフマニノフ/コチシュ編:ヴォカリーズ
 
                               


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